財務会計

 

利益率とは?粗利率との違いや目安、計算方法について解説

利益率とは?粗利率と違いや目安、計算方法について解説

企業が生み出した利益がどの程度であったかを測る指標、「利益率」。 利益率には、詳しくわけるといくつか種類が存在し、それぞれ計算方法も異なります。 そこで本記事では、そうした利益率に関して、種類・計算方法・目安値などの基礎知識を解説します。 経営状況の把握にお役立てください。

利益率とは?

利益率とは、売上高に対して占める利益の割合を示した指標のことです。例えば、売上が1000万円で利益が100万円だとした場合、利益率は10%となります。
利益率の算出によって、売上に対して利益が確保されているか、企業の経営状態を把握することができます。利益が出ていない際の分析にも役立ちます。

利益率は一般的に5種類ある

利益率には、一般的に損益計算書に記載される次の5種類が存在します。
以下にそれぞれの意味を解説します。

■売上高総利益率(粗利率)
売上高に対する売上総利益の割合を示す指標です。
企業の競争力・ブランド力を示すもので、好景気になると上昇・不景気になると下降します。

■売上高営業利益率
売上高に占める営業利益の割合を示す指標です。
本業の収益性や販売・管理活動の効率性を評価するもので、売上高総利益率と比較することで、販売費用や一般管理費の影響を把握できます。

■売上高経常利益率(ROS)
売上高に占める経常利益の割合を示す指標です。
企業の通常の活動から生まれる利益の水準を把握でき、財務体質や収益性の総合的な評価に用いられます。金融収支や資金調達力も考慮されます。

■売上高税引前当期純利益率
売上高に占める税引前当期純利益の割合を示す指標です。
法人税などが控除される前の利益の水準を表しています。企業の税引前の利益を把握したり、災害や事故などによる一時的な損益を考慮した利益を把握できたりと、経営の健全性を評価したりする際に使用されます。

■売上高当期純利益率(純利益率)
売上高に占める当期純利益の割合を示す指標です。
当該事業年度における最終的な利益の水準を反映し、企業の収益性や利益の健全性を評価するために使用されます。

粗利率との違い

利益率と混合されやすい指標として粗利率があります。
粗利率は先述した 売上高総利益率のことを指しており、売上高から原価を差し引いた収益を売上高で割ったものです。
そのため、利益率の1つの算出方法として粗利率が存在します。

利益率の計算方法

上記でご紹介した5種類の利益率は、それぞれ以下の計算方法で求めることができます。

売上高総利益率(粗利率)

売上総利益率(粗利率) = 売上総利益(粗利)/ 売上高 × 100
※売上総利益:売上高-原価

売上高営業利益率

売上高営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100
※営業利益:売上高-(売上原価・販売費・販管費)

売上高経常利益率(ROS)

売上高経常利益率 = 経常利益 ÷ 売上高 × 100
※経常利益:営業利益+営業外利益-営業外費用

売上高税引前当期純利益率

売上高税引前当期純利益率 = 税引前当期純利益 ÷ 売上高 × 100
※税引前当期純利益=経常利益+(特別利益-特別損失)

売上高当期純利益率(純利益率)

売上高当期純利益率 = 当期純利益 ÷ 売上高 × 100
※当期純利益=税引前当期純利益-税金(法人税・住民税・事業税)+法人税等調整額

売上高当期純利益率(純利益率)の目安値とは?

前提として、業界・業種などによって異なるものではありますが、一般的に売上高当期純利益率(純利益率)は5%以上であれば良好、10%以上であれば成績優秀な企業であるとされています。
あくまで目安値ではありますが、自社数値と比較して収益性・収益の健全性の判断に役立ててください。

利益率を改善するためにできること

抽象的にはなりますが、利益率を改善するための方法としては主に次の2通りの方法が考えられます。

売上を向上させる

売上を増加させれば、当然ですが利益率は向上します。
より具体的には、販売数の増加や販売単価の引き上げといったことが考えられます。

販売数増加には、新規顧客を開拓して増やしたり、もしくは既存顧客のリピート率を向上させたりといったことが考えられるでしょう。また、単価の引き上げについては、顧客離れにもつながりかねないため、単価をあげる納得のいく理由・説明を顧客に果たすなど細心の注意を払いましょう。

かかっているコストの削減

一方で、コスト(固定費・変動費)の削減も利益率改善の方法の1つです。
コストのなかでも、削減がおこないやすい部分・おこないにくい部分があると思います。

例えば、「人件費」の削減はなかなか現実的には難しい項目ではないでしょうか。そのため、まずは材料費の調達方法・提供元を見直して原価を抑えたり、水道・電気や燃料などの無駄な消費を削減したり、従業員の生産性改善と残業時間の削減に取り組んだりと、自社にとって現実的に取り組める内容に着手することをおすすめします。

財務会計ツールで、面倒な入力・レポート作成などを効率化

利益率をはじめ、財務会計業務ではさまざまな指標で企業の経営状況を管理します。従来はExcelなどを用いて財務会計の集計・把握をしている企業も多くいましたが、扱う指標とそれぞれの関係性を正確に把握したうえでの集計、煩雑な計算式の入力など、表計算ソフトでは業務負担が大きくなりがちでした。

そうしたなかで 財務会計ツールを導入すると、データ入力・確認の手間が省け、入力ミス・計算ミスなどによる数値誤りが減り、管理の正確性を向上しながら業務負担を下げることが可能になります。

また、財務会計ツールであれば表計算ソフトと違って、経営陣に報告するためのレポート作成を自動で効率化してくれる機能など、便利な機能も豊富です。
データ入力・レポート作成といった単純作業にかかる時間を削減できれば、その分、担当者はデータから会社の「ヒト・カネ」の分析をおこなって、利益率をはじめ経営状況を改善するための分析・提案業務に時間を割くことができるようになります。

まずは、そうした分析ができる基盤を作るためにも、いま利用しているシステムを見直して現状を見える化し、分析しやすいシステムに乗り換えることをご検討ください。

弊社でも、そのような分析が可能な財務会計システムを2つご用意しておりますので、ぜひこちらから詳細をご確認ください。


SuperStream-NXの詳細については以下からご確認いただけますので、
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寺本 仁
この記事を監修した人
会計・人事給与システムのソフト開発会社にてキャリアをスタート。
システム導入支援に従事後、営業部門に転じ、システム活用事例や課題解決事例に立脚した顧客提案を推進。
DAIKO XTECHに入社後は、勤怠管理や連結会計、経理部門のDX化など、ERPソリューション全般に精通したスペシャリストとして活躍中。
DAIKO XTECH株式会社
ビジネスクエスト本部
インダストリー推進部
業務ソリューション課
寺本 仁

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