人権デューデリジェンスとは?実施するメリットや指導原則などを解説

近年、ビジネスにおける人権尊重の重要性が急速に高まっています。
その中核となる取り組みが人権デューデリジェンスです。

人権デューデリジェンスとは、企業が事業活動やサプライチェーン全体において、人権への否定的な影響を特定・予防・軽減するプロセスです。
昨今は国内外での法制化やESG投資の普及に伴い、あらゆる企業にとって避けては通れない経営課題となりました。

一方で、人権デューデリジェンスの具体的な取り組みを理解していない人も少なくありません。

目次

人権デューデリジェンスとは

人権デューデリジェンスとは、企業が事業活動のなかで生じる人権への悪影響を把握し、予防・軽減するためのプロセスです。
自社だけでなく、原材料の調達から販売に至るサプライチェーン全体が対象となります。

そもそもデューデリジェンスとは、本来は投資や取引の際に行う事前調査を意味する言葉です。

企業が対象とすべき人権課題は多岐にわたり、時代とともに変化しています。
具体的な課題の例を以下の表にまとめました。

分類具体的な人権課題の例対象となる場面
労働環境安全でない職場環境・長時間労働・不当な低賃金自社工場・サプライヤの製造現場
労働者の権利強制労働・児童労働・結社の自由の侵害原材料の調達先・海外の製造拠点
差別・ハラスメント性別や国籍による差別・セクハラ・パワハラ採用活動・職場環境・昇進プロセス
新たな人権課題AIによる差別的な判定・気候変動による生活基盤の喪失デジタル技術の活用・温室効果ガスの排出

上記のように、過酷な労働条件といった従来の問題だけでなく、最新の技術に関する問題も対象です。
自社の事業特性に合わせて、どのようなリスクが潜んでいるかを洗い出すことが重要です。

人権デューデリジェンスが重視される背景

近年、企業に対して人権デューデリジェンスの実施を求める声が急速に高まっています。
その背景には、グローバル化による社会情勢の変化や、ステークホルダーからの強い要請があります。

なぜ今、人権デューデリジェンスが必要不可欠となっているのかを詳しく見ていきましょう。

世界的な人権意識の高まり

人権デューデリジェンスが重視される背景には、世界的な人権意識の高まりがあります。

最近は、企業による労働者の権利の侵害やハラスメントなどの問題がたびたび話題になった影響もあり、人権問題への適切な対応や人権への配慮が求められるようになりました。

長時間労働・残業代未払い・ハラスメントといった問題は企業のブランドイメージを毀損するだけでなく、社会的な問題として注目を集めるものです。
このような事態により、消費者の購買行動も変化し、「倫理的かつ人権意識が高い誠実な企業の商品を選び、応援したい」といった意識が定着しました。

現代の企業は、単に利益のみを追求する存在ではなく、社会を構成する重要な一員として、社会的責任や環境への配慮をより一層強く問われる時代を迎えています。
人権デューデリジェンスは企業のイメージを改善するだけでなく、社会的課題を解決するうえでも有効な取り組みです。

ステークホルダーの要請

ステークホルダー(企業を取り巻くさまざまな関係者)からの要請も、人権デューデリジェンスが重要視される理由です。

昨今、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から企業を評価する投資家は珍しくありません。
加えて、お客さまや取引先からも、サプライチェーン全体での人権配慮が取引の条件として求められつつあります。

ステークホルダーごとの主な要請内容を以下の表にまとめました。

ステークホルダー主な要請内容企業への影響
投資家・株主人権リスクの適切な管理と情報開示資金調達の可否・株価や企業価値への影響
お客さま(BtoB)人権に配慮した製品やサービスの提供取引継続の条件・新規契約の獲得
消費者(BtoC)倫理的な生産背景を持つ商品の販売不買運動の発生・ブランドイメージの低下
従業員・求職者働きやすく、人権が守られた労働環境離職率の低下・優秀な人材の獲得
政府・規制当局関連する法律やガイドラインの遵守罰則の適用・事業許可の取消リスク

上記のように、あらゆるステークホルダーが企業の人権対応を厳しくチェックしています。

「ビジネスと人権に関する指導原則」とは

「ビジネスと人権に関する指導原則」は、2011年に国連人権理事会で採択された国際的なルールです。
この原則は、企業が人権問題にどのように対応すべきかを示す世界的な基準です。

指導原則は、大きく分けて以下の項目で構成されています。

  • 人権を保護する国家の義務
  • 人権を尊重する企業の責任
  • 救済へのアクセス

それぞれがどのような役割を持っているのかを確認しましょう。

参照:ビジネスと人権に関する指導原則 国際連合「保護、尊重及び救済」枠組実施のために

人権を保護する国家の義務

「人権を保護する国家の義務」とは、国家が自国の管轄内において、企業活動による人権侵害から個人を保護する法的義務を負っていることを示しています。
この項目で特に重視されるのは以下の要素です。

  • 一般的な国家の規制及び政策機能
  • 国と企業の連携
  • 紛争影響地域における企業による人権尊重の支援
  • 政策の一貫性の確保

国家の義務を果たすため、政府は企業活動に伴う人権リスクを予防・軽減するための実効性のある法律や政策、ガイドラインを適切に整備・運用しなければなりません。
さらに、万が一、人権侵害の問題が発生した場合には、司法制度や行政手続きなどの救済メカニズムを通じて適切に対処し、被害者を救済・保護する責任があります。

企業側にとっては、自国や事業を展開するすべての国において、法律や規制を厳格に遵守することが、信頼される企業として活動するうえでの大前提です。

人権を尊重する企業の責任

規模・業種・操業地域を問わず、すべての企業には「人権を尊重する責任」が求められます。
企業は、自社の活動が人権に対して直接的または間接的に悪影響を与えないよう、細心の注意を払う必要があります。

この項目で重視されるのは以下の要素です。

  • 企業方針によるコミットメント
  • 人権デューデリジェンス
  • 救済への取り組み
  • 置かれている状況を踏まえた対応

この責任は、自社の直接的な活動にとどまらず、サプライチェーンや取引先などのビジネス関係を通じて生じる人権への影響にもおよぶものです。
もし自社が人権への悪影響を引き起こしたり、助長したりしてしまった場合は、速やかに実効性のある是正・救済措置を講じなければなりません。

救済へのアクセス

「救済へのアクセス」とは、人権侵害の被害者が実効的かつ適切な救済を受けられる仕組み(グリーバンスメカニズム)の構築を重視することです。
この項目で重視される要素は以下のとおりです。

  • 国家による司法手続き
  • 国家による非司法的苦情処理の仕組み
  • 非国家基盤型の苦情処理の仕組み
  • 非司法的苦情処理メカニズムの実効性の基準

まず国家には、裁判所などの司法的な制度に加え、行政や労働委員会といった非司法的な公的救済手段を整備し、被害者がアクセスしやすい環境を整える義務があります。

一方で、企業自らも、被害者が不利益を被ることなく声を上げられるような、透明性の高い苦情処理窓口を社内外に設置することが求められます。
問題が深刻化する前に、迅速かつ柔軟に問題を解決できる体制を整えることこそが、被害の拡大を防ぎ、企業の社会的信頼を守るための極めて重要な鍵です。

国内外における人権デューデリジェンスの取り組み

人権デューデリジェンスに関する法規制は、欧米を中心に整備が進んでおり、日本もその影響を強く受けています。

国内外の最新の動向を把握し、適切な対応を準備することが重要です。 

欧米の取り組み

欧米では、企業に人権デューデリジェンスを義務づける法規制が次々と制定されています。
これらの法規制は、違反した企業に巨額の罰金を科すなど、非常に厳しい内容です。

欧米の主要な法規制を以下の表にまとめました。

法規制施行している国概要
企業注意義務法フランス一定規模以上の企業に対し、人権・環境・労働安全などに関するリスクを特定・予防する警戒計画の策定・公表・実施を義務づける法律
サプライチェーン・デューデリジェンス法ドイツ一定規模以上の企業に対し、人権・環境リスクの特定と予防措置、是正措置、苦情処理、年次報告などの義務を課す法律

参照元:EU 人権・環境デューディリジェンス 法制化の最新概要|ジェトロ(日本貿易振興機構) 調査レポート

参照元:『サプライチェーン・デューデリジェンス法』2023年施行へ|労働政策研究・研修機構(JILPT) 海外労働情報

このように、海外でビジネスを行う日本企業は、現地の厳しい法律に従う必要があります。

日本の取り組み

日本では人権デューデリジェンスの義務化こそ実現していないものの、国際的な潮流に合わせて企業の取り組みを後押しするようになりました。

実際、2020年には「ビジネスと人権に関する行動計画」が策定されました。
また、2022年には経済産業省が「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を公表しました。

現時点では日本国内での法的な義務化には至っていませんが、ガイドラインに沿った対応が強く推奨されています。
今後、日本でも法規制が強化される可能性を見据え、早急な体制構築が必要です。

参照:「ビジネスと人権」に関する行動計画について|法務省
          日本政府は「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を策定しました|経済産業省

人権デューデリジェンスを実施するメリット

人権デューデリジェンスは、企業にとって負担ばかりの取り組みではありません。
適切に実施することで、以下のメリットが期待できます。

  • 企業価値やESG評価の向上
  • 経営リスクの低減
  • ステークホルダーからの信頼の獲得
  • 優秀な人材の確保と定着

本章では、それぞれのメリットについて解説します。

企業価値やESG評価の向上

人権問題に真摯に取り組む姿勢は、現代のビジネスにおいて企業の社会的な評価や信頼性を大きく引き上げる重要な要素です。

近年、世界の投資家は環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)への配慮を重視する「ESG投資」の枠組みを急速に拡大させています。

このような状況において、企業が自社の人権方針を明確に策定し、具体的な人権デューデリジェンスの取り組みやその成果を透明性高く開示することは極めて重要です。
人権問題への積極的な姿勢は、国内外の主要なESG評価機関からのスコア向上に直結します。

その結果、持続可能性や社会的責任を重視する投資家からの資金調達が非常に有利になり、最終的には長期的な企業価値の向上と持続可能な成長へとつながります。

経営リスクの低減

企業が事業活動を行ううえで、潜在的なリスクを早期に発見し、迅速に対処できることは、経営の安定化において非常に大きなメリットです。

例えば、自社のサプライチェーンにおいて強制労働などの深刻な人権侵害が発覚した場合、企業は社会的信用の失墜だけでなく、甚大な経済的被害を被ることになります。
国内外のステークホルダーからの批判・多額の損害賠償請求・通関手続きにおける輸入差し止めによる事業停止など、経営の根幹を揺るがす致命的な事態に発展しかねません。

こうした最悪のケースを回避するために不可欠なのが、人権デューデリジェンスの実施です。
サプライチェーン全体のリスクを正確に可視化・軽減するプロセスを通じて、これらの致命的な事態を未然に防ぎ、企業の持続可能な成長と社会的信頼を確保できます。

また、購買部門の視点で見れば、コスト・品質・納期(QCD)のみを重視する従来の購買管理は、サプライチェーンの奥底にある人権リスクを見過ごす要因となりかねません。取引先選定や評価のプロセスに人権リスク管理を組み込むことは、調達の安定化を図り、将来的な事業停止といった経営リスクを回避するための、購買部門として果たすべき重要な役割です。

ステークホルダーからの信頼の獲得

現代のビジネス社会において、透明性の高い取り組みは、お客さまや取引先から確固たる信頼を獲得するための極めて重要な基盤です。
近年、環境保全や労働環境などの人権に配慮し、倫理的に正しく生産された製品・サービスを積極的に選択する消費者は年々増加しています。

そのため、人権問題に対する企業の誠実な姿勢は、ブランドイメージの向上やステークホルダーからの信頼の獲得に直結します。

また、取引先に対しても「コンプライアンスを徹底し、安心して長期的なパートナーシップを築ける企業」として強くアピールすることにつながります。
このような透明性の追求は、他社との明確な差別化を可能にするだけでなく、持続可能なビジネスモデルを構築するうえで欠かせません。

優秀な人材の確保と定着

従業員一人ひとりの人権を尊重し、多様性を認める企業は、誰もが安心して心身ともに健やかに働ける快適な職場環境を提供できます。
パワハラやセクハラなどの防止対策の徹底・過度な残業の是正・適切な労働時間管理は、従業員の業務へのモチベーションや仕事に対する満足度を大きく向上させる取り組みです。

このような取り組みを継続した結果として、職場全体の信頼関係やエンゲージメントが高まり、離職率の低下や定着率の向上といった効果が期待できます。
さらに、人権尊重や社会貢献に真摯に取り組む企業姿勢は、求職者にとっても極めて魅力的に映るため、将来を担う優秀な人材を惹きつけ、企業の持続可能な成長へとつながります。

人権デューデリジェンスの実施手順

人権デューデリジェンスの実施手順は以下のとおりです。

  • 人権方針の策定
  • 人権侵害等の特定・評価
  • 人権侵害等の防止・軽減
  • 取り組みの実効性の評価
  • 説明・情報開示とステークホルダーとの対話

実際に人権デューデリジェンスを実施する際の参考にしてください。

人権方針の策定

最初のステップは、企業として人権を尊重する姿勢を明文化した「人権方針」を定めることです。
人権方針には、経営トップの明確なコミットメントを盛り込む必要があります。

方針を策定する際は以下のポイントを意識しましょう。

  • 企業の経営トップが承認していること
  • 社内の関連部署や社外の専門家などから情報提供を受けていること
  • 従業員や取引先関係者などに対する、人権の尊重に関する期待を明記していること
  • 一般に公開され、すべての従業員、取引先、出資先、その他の関係者がアクセスできること
  • 方針を浸透させるための継続的な取り組みや社内体制などが整っていること

また、人権方針は自社の従業員だけでなく、サプライチェーン全体に適用されることを明記します。
策定した方針は自社のウェブサイトなどで広く公開し、社内外に周知徹底しましょう。

人権侵害等の特定・評価

次に、自社の事業活動やサプライチェーンにおいて、どのような人権リスクが存在するかを調査しましょう。
業界の特性や、部品の調達先となる国・地域の状況などを分析し、リスクを洗い出します。

特定したリスクは、影響の深刻度と、問題が発生する可能性の2つの軸で評価します。
深刻な人権侵害につながる恐れが高いものから、優先的に対応していくことが重要です。

購買部門における具体的なアクションとしては、新規サプライヤ選定時にセルフアセスメント質問票(SAQ)への回答を求めたり、既存取引先に対する労働環境の定期的なヒアリングを実施したりするなど、日常的な調達プロセスの中にリスク評価の仕組みを組み込むことが有効です。

人権侵害等の防止・軽減

特定したリスクに対して、問題の発生を防ぐための具体的な対策を実行するフェーズです。
例えば、自社内でハラスメント防止のための従業員研修を実施することが挙げられます。

取引先で問題が見つかった場合は、労働環境の改善に向けた計画を共に策定し、実行を促します。
どうしても改善が見込めない場合には、取引の停止を検討することもあります。

取り組みの実効性の評価

実施した対策が本当に効果を上げているかを、定期的に確認し評価することも重要です。
労働時間の遵守率や、苦情窓口への相談件数など、具体的な指標(KPI)を設けて測定します。

また、外部の専門機関による監査を受け、客観的な評価を得ることも有効です。
評価の結果をもとに、対策の改善点を見つけ出し、次のアクションにつなげます。

説明・情報開示とステークホルダーとの対話

最後は、一連の取り組みの進捗や結果を、透明性をもって外部に報告するステップです。
サステナビリティ報告書やウェブサイトを通じて、具体的な事例や課題を包み隠さず公開します。

同時に、NGOや労働組合、投資家といったステークホルダーとの対話の場を設けます。
外部からの意見や批判を真摯に受け止め、次のリスク評価や方針の改善に役立てましょう。

【製造業の難所】サプライチェーンの人権デューデリジェンスを阻む「購買管理」の壁

製造業においても、人権デューデリジェンスの重要性は変わりません。
しかし、製造業では購買管理が円滑な人権デューデリジェンスを阻む壁になることがあります。

本章では、購買管理が人権デューデリジェンスに与える影響について解説します。

取引先(サプライヤ)のブラックボックス化とExcel管理の限界

人権デューデリジェンスの実践において、自社のサプライチェーン全体の把握は不可欠です。

しかし、製造業では、サプライヤが多層化するにつれ、状況が不明確になり、ブラックボックス化が進行します。

特に2次・3次のサプライヤとなると、情報を追い切れず、人権リスクの把握が困難になります。

また、製造業では取引先管理にExcelなどを用いた手作業による管理を実施しているケースは珍しくありません。
しかし、サプライチェーンの動態的な変化や膨大な情報量に対しては、Excelでの管理には限界があります。

従来のExcel管理のままだと、人権デューデリジェンスを実施するうえで必要な情報の把握・管理ができず、深刻な人権リスクを特定できずに放置するような事態を招きます。
この管理の限界こそが、企業にとっての潜在的な人権リスクを高める要因です。

自社の「無理な短納期発注・コスト圧迫」が下請けの人権侵害を誘発するリスク

人権デューデリジェンスは、サプライヤの状況を監視するだけでなく、自社の購買慣行が人権に与える影響を省みるプロセスでもあります。
自社がサプライヤに対して行う、無理な短納期での発注や、行き過ぎたコスト削減要求といった圧力は、下請け企業における人権侵害を誘発する直接的な原因となりかねません。

例えば、極端に短い納期は、サプライヤ労働者の過重労働や休日出勤を常態化させ、健康被害を招くリスクがあります。
また、一方的なコスト圧迫は、賃金の未払い・低賃金での労働・不当な解雇・劣悪な労働環境に置かれた労働者の利用といった、深刻な人権侵害につながる可能性があります。

自社に人権侵害の意図がなくても、そのビジネス構造がサプライチェーン全体の人権リスクを高めている可能性があることを企業は認識しなければなりません。 

購買管理の見直しで人権デューデリジェンスの実効性を高める

製造業において、購買管理は人権デューデリジェンスの実効性を高めるうえで重要です。

購買管理を見直すことで、以下の効果が期待できます。

効果詳細
リスクの可視化2次・3次サプライヤなど、より下流に潜む強制労働などの人権リスクを把握・対応できます。
自社起因リスクの是正無理な短納期や過度な価格圧迫による過重労働や不当な労働環境の誘発を防げます。
評価基準の転換従来のQCD(品質・価格・納期)に人権配慮を加え、サステナブル調達へシフトできます。
経営リスクの回避各国の規制強化や法的罰則、レピュテーションの低下を防ぎ、企業の事業継続性を守れます。

 

なお、Excelによる購買管理を実施している場合、いくらやり方を見直しても上記のような効果を得るのは困難です。
Excelによる効率化には限界があるうえに、従業員のノウハウにバラつきがあると業務の属人化を招き、正当な人権デューデリジェンスができなくなる恐れがあります。

そのため、購買管理を見直す際は専用のシステムの導入を検討しましょう。

クラウド型Web-EDIシステム 「EdiGate/POST」でサプライチェーンの人権デューデリジェンスを支える 

製造業で人権デューデリジェンスを実施するには、優れた購買管理システムの導入が有効です。

その際は、EdiGate/POSTの導入がおすすめです。

「EdiGate/POST」は購買に関するあらゆるプロセスを電子化し、効率化できるシステムです。

従来のExcelや電話・FAX運用などの属人的な管理では、発注状況や納期の全体像が見えづらく、結果としてサプライヤに対する「急な発注変更」や「無理な短納期押し付け」が発生していました。しかし、システム導入によって発注・納期回答・内示情報がリアルタイムで双方向共有されるため、人権侵害の引き金となる「急な発注変更」や「無理な短納期押し付け」を防止できます。

また、サプライヤとの情報共有をデジタル化し、無理のない適正な調達環境を整えられるため、結果的にサプライチェーンの人権を守ることにつながります。

いずれも、人権に配慮した取引を実現し、企業の経営リスクを回避する際に役立つ要素です。

人権デューデリジェンスの実施に合わせて購買管理の体制を見直す際は、ぜひ「EdiGate/POST」の導入をご検討ください。

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人権デューデリジェンスを実施する際の注意点

人権デューデリジェンスを形骸化させず、実効性のあるものにするためには以下の注意点があります。

  • 社内に人権方針を定着させる
  • 全社的に協力できる体制を整える
  • 実質的なリスク管理を重視する
  • サプライチェーンやステークホルダーも含めて考える

社内での進め方や、外部との関わり方において、特に意識したい点を確認しておきましょう。

社内に人権方針を定着させる

人権方針は、従業員一人ひとりに深く理解され、日々の行動指針として浸透しなければ意味がありません。
人権問題が自社のビジネスや自分自身の業務にどのように関わっているのかを、具体的かつわかりやすく伝える地道な努力が必要です。

具体的なアプローチとして、定期的な社内勉強会の開催や、各部署の実務に即したケーススタディを用いたグループワークなどを活用しましょう。
従業員の意識が高まることで、現場に潜む小さな人権リスクや違和感の報告が早期に上がりやすくなります。

全社的に協力できる体制を整える

サステナビリティ部門や法務部門といった一部の専門部署だけでは、人権デューデリジェンスを実効性のあるものにはできません。
原材料の調達先や取引先と直接的なコミュニケーションを行う調達・営業部門や、従業員の労働環境を管理・サポートする人事部門など、実務を担う各部署の協力が不可欠です。

全社的な取り組みを成功に導くためには、経営層が強いリーダーシップを発揮し、部署の垣根を越えた横断的なプロジェクトチームを早期に立ち上げることが重要です。
それぞれの部門が果たすべき役割と責任の所在を明確にし、企業全体が一丸となって人権尊重に努める強固な推進体制を構築していきましょう。

実質的なリスク管理を重視する

人権デューデリジェンスは、アンケート調査などの表面的なチェックだけで終わらせず、実質的なリスク管理を重視しなければなりません。
単に「ルールが守られているか」といった形式的な確認にとどまらず、実際に現場で人権侵害が起きていないか入念にチェックすることが重要です。

人権デューデリジェンスの実効性を高めるためには、自社だけの判断に頼らず、外部の専門家やNGOといった第三者の知見を借り、客観的な視点を取り入れることが非常に有効です。
書面上の確認だけで満足せず、必要に応じて担当者が自ら現場に足を運び、現場の声に真摯に耳を傾ける姿勢が、実質的な人権尊重への第一歩です。

サプライチェーンやステークホルダーも含めて考える

人権リスクは、自社の目の届かない遠いサプライチェーンの末端で起きるケースがあります。
そのため、直接取引のある1次サプライヤだけでなく、その先にある2次・3次サプライヤ、さらには原材料の調達段階にいたるまで、実態を十分に把握するよう努めましょう。

また、労働者や地域住民など、自社の事業活動によって影響を受ける可能性のある多様なステークホルダーの声に耳を傾ける仕組み(実効性のある苦情処理窓口など)を設置することも必須です。
これらの複雑な人権課題は自社単独で解決しようとするのではなく、取引先や業界団体、NGOなどの関係者全体と対話・協力しながら、継続的に改善していく広い視点を持つことが重要です。

透明性を確保する

企業や組織における情報開示において、もっとも避けるべきなのは都合の良い成果だけを強調することです。
人権デューデリジェンスにおいても、透明性を確保し、実施した結果を正直かつ迅速に報告する姿勢が求められます。

一時的な取り繕いのために不都合な事実や課題を隠蔽することは、それがのちに発覚した際、もっとも深刻な信頼の失墜を招き、取り返しのつかない事態に発展しかねません。
大切なのは、問題を早期に発見し、それに対して「現在どのように取り組んでおり、今後どう克服しようとしているか」といった具体的なプロセスを誠実に開示することです。

このような透明性の高い一貫したコミュニケーションこそが、ステークホルダーからの真の理解と揺るぎない信頼を獲得する鍵になります。

まとめ:人権デューデリジェンスは経営リスクを回避するうえで重要な取り組み

人権デューデリジェンスは、単なる法令遵守の枠を超え、企業の存続を左右する重要な経営戦略です。
複雑なサプライチェーンを把握し、潜在的なリスクに対応することは決して簡単ではありません。

しかし、本記事で紹介したステップを着実に進めることで、確実に体制を構築できます。
まずは自社の人権方針を見直し、どこにリスクが潜んでいるのかを洗い出すことから始めてみましょう。

また、製造業は「EdiGate/POST」のようなシステムを利用することで、人権デューデリジェンスの実効性を高められます。
人権デューデリジェンスの実施に際して購買管理の体制を見直す際は、ぜひご検討ください。

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