生産管理

 

材料の価格データの共有で原価管理・見積書制作を省力化した事例「株式会社波南様」

材料の価格データの共有で原価管理・見積書制作を省力化した事例「株式会社波南様」

多種多様な製品を扱う現場では、多くの場合、その一元管理が課題に挙がります。重機などの特殊な梱包・輸送を行う「株式会社波南様」も同様の課題に直面しました。しかし、個別受注向け生産性システムの導入によって、課題解決と成果創出に成功しています。では、実際にどのような導入効果が見られたのでしょうか。

本記事では導入背景と導入後の効果についてご紹介します。

自社の要件にそぐわないシステムで非効率だった生産管理

波南様は、建設機械などの重機のシリンダーやエンジン、精密機械などの大型製品や、少しの狂いも許されない特殊な製品など、多種多様な製品の梱包資材を取り扱う企業です。同社では、委託される製品の一つひとつが特殊な形状であるだけに、パッケージの設計・製造段階から業務がスタートします。木材やスチール、強化ダンボール、梱包資材などを組み合わせて、それぞれの製品にあった形状や強度、柔軟性をつくりだしていきます。

波南様では個別受注向け生産管理システムの導入検討を始めた当初、展示会などで情報収集をしていました。同社管理部経理課 課長の小田部氏は、当時の状況について次のように話します。

「輸送する製品の梱包形態は1点1点異なりますが、これまでは量産型の生産管理システムを無理に使っていたのです。当然のことながら使い勝手が悪く、生産管理システムとしては利便性に欠けるため、経理主体で使っていました。実際の生産管理はExcelで処理するという非効率な方式でした」

こうした背景に加え、システムの対応OSが旧OSでありOSのバージョンアップを検討する段階で切り替えを急いでいました。そうした中、小田部氏が同社の複合機を取り扱う富士ゼロックス茨城の営業担当に相談したところ、DAIKO XTECHの個別受注向け生産管理システム「rBOM」の名が挙がったといいます。

別途、展示会では3社のシステムをピックアップし3ヶ月かけて検討、最終的にはDAIKO XTECH「rBOM」に決定。この理由の1つが、営業管理から会計まで幅広い業務に対応できる、という点。もう1つの理由が、梱包の際に扱う数千の品目、万単位の部品数を管理するうえで「rBOM」が最適と考えたことです。

導入に至る前の最終決定段階では、経営陣の指示により、実際に導入した企業の見学、使い勝手やDAIKO XTECHのサポート体制のヒアリングなど入念な確認を実施したのち導入を決定しました。

導入準備では、各セクションからプロジェクトリーダーを一人ずつ選定し、勉強会を開催。DAIKO XTECHがシステムの概要や使い方をレクチャーした後、週次で勉強会を開き、それぞれ20名ほどが出席しました。その後本稼働開始に至っています。

個別受注生産に特化したシステム導入の効果

入念な準備を行い稼働した個別受注向け生産管理システム「rBOM」ですが、導入後にはどのような効果が得られたのでしょうか。特徴的なものとして挙げられたのが、次の2点です。

導入効果① 部品の一括管理が可能になった

1つ目は、部品表がシステム上で一括管理できるようになり、情報の共有化が図られたことです。システム導入前、部材発注のタイミングや発注量は熟練社員の勘に頼りがちでした。しかし、システム導入後には発注の際の基準が明確化され、誰が行っても無駄のない業務を行えるようになっています。

導入効果② 原価計算や見積書の作成がスピーディーになった

2つ目は、原価計算や見積作成にまわる成果です。同社で使用する部材の多くは輸入品で、木材ならば中国、ベトナムから仕入れており、その価格は為替の変動によって大きく変わります。わずかな金額の変動でも、全社単位となると何百・何千万円規模の差になることも珍しくありません。また、多くの部品の原価も変わるため、多種多様な見積書も作り直す必要がありました。しかし、今までは到底対応しきれる作業量ではなかったため、受注時点では順次変更していたのです。

しかし、システム導入後には原価を入力し直せば、その原材料を使用している部品全ての価格が一括変更できるようになり、見積や部品表の変更が容易になりました。これにより、原価計算や見積書の作成スピードも格段に向上しています。

営業・経理部門へのメリットも

「rBOM」の導入効果は製造部門以外にも広がっています。例えば、営業・経理部門間での案件情報の共有です。具体的には、システムを見れば営業の引き合いが一目瞭然であるため、「誰が、どの案件を抱えているか」を経理部からも確認できるようになったことが挙げられます。

これまでは実際に受注に至るまで営業担当がどのような取引を進めているのか、把握することができませんでした。しかし、「rBOM」によって事前に取引内容やその経緯が明確になり、その後の対応もしやすくなっています。また、受注割合が可視化されることで、受注できなかった案件に関しては「なぜ、受注できなかったのか」を検証・改善することができるようになりました

個別受注生産の製造業様向け管理システム「rBOM」

今回ご紹介したように、個別受注向け生産管理システム「rBOM」を活用すれば、製造部門のみならず営業・経理部門の業務改善効果も期待できます。部品の一括管理が実現すれば、業務ノウハウの継承や、業務の効率化も可能になるでしょう。また、原価計算や見積作成もスピーディーに行えるようになるため、問い合わせ対応の品質向上といった効果も期待できます。

また、DAIKO XTECHではシステム活用に欠かせないサポートも注力しているため、大規模なシステムリプレースでも安心してお任せいただけます。原価管理や業務の標準化・効率化に課題をお持ちの企業様は、お気軽にお声がけください。


原価管理・部品管理の最適化に | 個別受注生産の製造業様向け管理システム「rBOM」
リアルタイムな進捗・原価把握を実現する生産管理システム「rBOM」については、下記よりご覧いただけます。

カタログ 製品の詳細


田幸 義則
この記事を監修した人
入社後15年間、長野支店にてシステムエンジニアとして活動。
運送業、倉庫業のお客さまを中心に担当し、業務システム構築からインフラ環境構築等の経験を積む。
その後、製造業のお客さまも担当し、rBOM導入のプロジェクトにも関わるように。
16年目に現部門に異動し、rBOM全国支援の担当者となる。
現在はrBOMだけではなく、製造業全般のソリューション提案を手掛けている。
料理が趣味、これからお菓子作りにも挑戦しようか迷っている。
DAIKO XTECH株式会社
ビジネスクエスト本部
インダストリー推進部
田幸 義則
【事例で学ぶDX】BOMを統合して経営を強化、コストダウンへ

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