生産管理

 

製造業での”業務効率化・コスト削減”の要、
全社での情報一元管理とは?

製造業

消費者のニーズが「モノ」から「コト」へと移りゆく時代。製造業各社が抱える課題は、高度化の一途をたどっています。
経営レイヤーから製造現場までさまざまな課題が生まれる今、どのような解決アプローチが考えられるのでしょうか?
今回は、業務効率化・コスト削減といった側面から、製造業に求められる「情報一元管理」の要点を明らかにしていきます。

情報共有不足が、製造業の業務効率悪化・コスト肥大化を招いている

製造業では、部門間あるいは担当者間で情報共有がスムーズに行われなかったことが要因で、業務効率の低下やコスト肥大化が引き起こされるケースがたいへん多くみられます。

例えば、顧客からの急な仕様変更依頼があったとき、その依頼を受け取った営業部門が、設計部門に迅速かつ正確に情報を伝えなければ、その後のトラブル・納期遅れなどは想像に難くないと思います。
同様に、製造部門が資材部門になんども部品/資材の発注状況を確認するのも、情報がリアルタイムに共有される仕組みがないことで起こる非生産的な状態といえます。

情報共有を正確に・リアルタイムに行う、そのような仕組みを作るためには、ITの活用技術が欠かせません。

しかし、この「コストの削減、業務効率化」について、ITを導入した企業の割合は、小規模事業者で3割強、中規模企業で6割弱にとどまります。
つまり、「コストの削減、業務効率化」において、ITの活用は必要であると考える企業が多いのに対し、IT活用の遅れが生じている現状があるのです。

そしてそのIT活用の遅れがもたらすのは、「情報共有」の不足です。
この「情報共有」を加速させるためには、どのような単位でのシステム導入が望まれ、「コスト削減・業務効率化」へと結び付けることができるのでしょうか?

部門単位ではなく、全社単位での一元管理システム導入が理想

製造業におけるIT活用を「効果的な情報共有」、ひいては「コスト削減・業務効率化」へと結び付けるためには、製造プロセス全体を意識した設計が欠かせません。だからこそ、最も重要な観点は、部門単位の個別最適を目指すのではなく、「全社単位での一元管理システム」の導入を前提とすることにあります。

特に、個別受注生産型の製造業では、この「全体最適」の観点が強く求められます。その主な理由は3つです。

1.図面を中心とした設計プロセス

個別受注生産の製造プロセスでは、営業サイドが注文を受けた後に「設計図面」を作成し、続いて「設計図面」を元に「部品表(BOM)」を作成します。これら一連のプロセスが完了した後に、BOMのシステム登録、各部品の発注手配が行われます。

しかし、このプロセスには問題があります。短納期で工程を進める必要性が出てきた際に、「設計図面」の作成工程がボトルネックとなり、後の工程が切迫する恐れがあるのです。だからこそ、ここでも「情報共有(情報の一元管理)」が求められます。ITシステムを活用し、見積段階からBOMを作成すれば、リードタイムを大幅に短縮することが可能になります。

見積段階からBOM作成が可能に。情報一元管理を実現する販売・生産管理システム
rBOM製品ページ:https://www.daiko-xtech.co.jp/daiko-plus/production-control-rbom/

2.商談段階で製造サイドの状況を踏まえた判断が必要

個別受注生産のスタイルを取る製造業では、受注した案件に対して都度、設計を行います。そのため、商談段階から製品ラインの確保や在庫量の確認など、さまざまな要素を勘案する必要があるのです。

特に、近年は製造工程がグローバル化し、サプライチェーンが長期化・複雑化する傾向にあるため、営業サイドが最適な判断を下すためには「全体最適」につながる全社的な情報共有が必要不可欠といえます。

3.商談時の見積金額や納期回答の正確性が求められる

市況の変化が激しい昨今、ビジネスにも一層のスピードが求められており、見積精度や納期設定に対しても、より細かな提示が求められます。多くの営業マンが「確実に利益を確保したい」と考える一方で、あまり原価を高く見積すぎると競合に競り負ける恐れがあるのです。

納期回答についても同様の葛藤が生じます。より短い納期を設定すれば、競合に競り勝つ可能性は上がります。しかし、在庫の確保・ラインの稼働状況の確認など、製造サイドの状況を踏まえた上で適切な納期を設定しなければ、得意先の信用を失う事態になりかねません。

これらのような観点からも、商談時点で製造サイドの状況をより早く、正確に把握できる体制(=情報共有の仕組み)を整えることは、極めて重要となります。

これらのような3つの理由を背景に「全体最適」が求められるわけですが、従来型の部門ごとの生産管理システムでは実現が難しいといえるでしょう。そこで、部門間の壁を越えるコンセプトの生産管理システムの導入が進んでいます。

部門を跨いだ情報共有の実現!生産管理システム rBOMとは?

個別受注企業の理想的な生産管理を支援する「rBOM」は、「引合・見積・受注」といった営業プロセスの上流段階から適用することができる仕組みです。そして、製品を納めた先の保守・サポートの段階まで管理ができるため、得意先(顧客)と長期的に良好な関係を構築するためのシステムともいえます。

「rBOM」が実現するのは、”図面中心のものづくり”から脱却し、”部品表活用型のものづくり”へと転換を図ることです。「rBOM」を活用し、図面をデータで残すようにすれば、最終的にはものづくりの過程でBOMを活用することが可能になり、設計・製造プロセス全体での情報共有、そして大幅な生産性向上を実現することが可能になります。

特に欠かせない観点が、「マスタ化」を進めることで実現できる情報の一元管理です。ITシステムやデータベースを活用することの本質は「データを貯めること」ではなく、「必要なデータだけをいつでも抜き出せるように、ルール化して整理すること」にあります。営業・設計・購買・製造といった部門別に、適切な項目をつくり情報管理をすることで初めて、業務効率化・コスト削減に寄与する情報の一元管理が可能になります。

より詳細な生産管理の方法を知りたい方は、以下のレポート『機械メーカーが取り組むべき 「生産管理」の基準づくり(全31ページ)』をお読みください。

また、下記のページでは個別受注生産の工場で部品表を中心とした、情報のリアルタイム統合管理を実現する生産管理システムを紹介しております。
ご興味がございましたら、是非こちらもご覧ください。

リアルタイムな進捗・原価把握を実現する
生産管理システム「rBOM」

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田幸 義則
この記事を監修した人
入社後15年間、長野支店にてシステムエンジニアとして活動。
運送業、倉庫業のお客さまを中心に担当し、業務システム構築からインフラ環境構築等の経験を積む。
その後、製造業のお客さまも担当し、rBOM導入のプロジェクトにも関わるように。
16年目に現部門に異動し、rBOM全国支援の担当者となる。
現在はrBOMだけではなく、製造業全般のソリューション提案を手掛けている。
料理が趣味、これからお菓子作りにも挑戦しようか迷っている。
DAIKO XTECH株式会社
ビジネスクエスト本部
インダストリー推進部
田幸 義則
【事例で学ぶDX】BOMを統合して経営を強化、コストダウンへ

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