多種多様な部品管理を行う個別受注生産で不可欠な生産管理システム。導入効果を得るためには、製品検討前に選定ポイントをおさえておく必要があります。
そこで、本記事では個別受注生産の生産管理システムの選び方と7つの比較ポイントについてご紹介します。

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生産管理システムはどう選ぶ?
個別受注生産では、顧客から受注を受けた後、顧客ごとに異なる製品の個別仕様に対応するため、多種多様な部品や材料を取り扱う必要があります。このような多種多様な部品の管理をはじめ、管理業務の多くをExcelで行っている企業では、どのようにミスを減らして効率化するかといった課題を抱えていることが多くあります。
このような課題を解決するための方法の一つとして、納期や数量、場所、工数を計画・管理する業務を効率化する生産管理システムの導入があります。しかし、導入にあたり「どの生産管理システムを選べばよいかわからない。」「自社に合った生産管理システムの選び方がわからない。」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本章では、生産管理システムを選ぶ際に考えておきたいことを解説していきます。
生産管理システム導入の目的と優先順位を決める
生産管理システムはただ導入すればよいというものではありません。重要なのは生産管理システムを導入することで「何を達成したいのか?」「どんな課題を解決したいのか?」という目的を明確にすることです。
例えば「何を達成したいのか?」を明確にするためには、見積管理、工程進捗管理、部品表管理、発注・仕入れ管理、作業実績収集、予算管理、原価管理、受注管理、売掛・買掛管理、在庫管理など、幅広い業務から何を管理したいのかを決めておくことが重要です。
また、「どんな課題を解決したいのか?」を明確にするためには、部門ごとに課題をヒアリングし、解決すべき問題を洗い出す必要があります。
生産管理システムには多くの種類があり、それぞれ対応可能な範囲や搭載されている機能、強みなどが異なります。生産管理システムによって解決すべき項目と解決の優先順位を検討しておくことで、どの生産管理システムが自社に最も適したものなのかを判断しやすくなります。
自社の形態に合わせる
自社の生産形態と生産管理システムが合わなければ、生産形態の変更が必要となることもあります。また、補助するための別システムを導入し直すといったコストや手間も発生します。そのため、生産形態や自社の特徴に合わせた生産管理システムの選定が重要です。
また、比較ポイント2で後述するオプションや連携ソリューションを組み合わせることで、幅広い範囲での課題解決が可能な生産管理システムも登場しています。自社の生産形態に合わせて、機能の拡張も検討してみましょう。
次章では、より具体的に生産管理システムを選定する際に比較すべきポイントをご紹介していきます。
生産管理システムを選定する際の7つの比較ポイント
生産管理システムを選定するうえで、注目すべきポイントは主に7つあります。ここでは、7つの比較ポイントを具体的にご紹介します。
ポイント1:受注から生産、売上までの管理
生産管理システムを選定する際には「受注から生産、売上までの管理」が可能かを確認しましょう。
生産管理システムは提供元の会社によって、対応可能な業務範囲が異なります。効率化を図るためにも対応範囲は受注から生産、売上までを一元的に管理できるシステムであることが理想的です。
また、販売管理においても活用できる生産管理システムや、カスタマイズ機能によって必要な機能を追加できるものもありますので、導入するにあたりどのような機能が必要なのかを明確にしておきましょう。
ポイント2:システム連携
比較ポイントの2つ目は「システム連携」です。
生産管理システムは、さまざまなシステムと連携が可能であり、連携を行うことで活用の幅が広がります。例えば、会計システムと連携してERP(統合基幹業務システム)として使用したり、生産管理システムで収集した情報を管理会計といった企業経営の観点から活用したりすることもできます。
このように、システム連携によってさらなる効率化を図ることができますので、どのようなシステムと連携が可能であるか事前に確認しておくことが重要です。
ポイント3:見積シミュレーション
3つ目のポイントは「見積シミュレーション」です。
個別受注生産は顧客ごとに個別の仕様となるため、見積の精度や速度に課題を抱えがちです。また、見積原価を算出することは損益分岐点の計算や利益計画の立案のためにも必要不可欠です。そのため、正確に原価を計算できるシステムであることは非常に重要な選定ポイントです。
見積精度が高い生産管理システムであるかを判断する際は、図面や参考資料など過去の実績が一元管理されているか、いつでも検索・参照できるのかを確認しましょう。
ポイント4:スケジューリング
納期調整やリアルタイムでの進捗把握などスケジュール管理が容易に行えるシステムか、という点も生産管理システムを選定するうえで重要なポイントです。
上述でも見積精度の重要性についてご紹介しましたが、スケジュールに関する情報共有を部門横断的に行えるシステムであれば、生産工程の稼働予定が可視化できるため、納期回答の精度向上にもつながります。
ポイント5:部品管理・仕様管理
部品管理・仕様管理が容易にできる生産管理システムであるか、という点も選定のポイントです。
個別受注生産においては図面中心のモノづくりであることが多く、仕様変更が生じた際には設計図面から修正しなければ適切な部品管理を行えません。そこで、部品表(BOM)を中心とした生産管理システムであれば、リアルタイムで情報共有が可能なうえ、蓄積された過去のデータを検索できる仕組みを構築できるため、部品管理や仕様管理が容易です。
ポイント6:システム導入費用
自社に必要な機能が揃っていることは生産管理システムを選定するうえで非常に重要ですが、不必要な機能やオプションが搭載されている場合、導入費用も高額となってしまいます。
また、初期費用とランニングコストは、生産管理システム選びの中で選択しやすい要素です。生産管理システムは、自社管理サーバにシステムを入れる「オンプレミス型」とサービス提供企業がサーバを管理する「クラウド型」があります。オンプレミス型は、比較的初期費用が高くなりがちですが、契約期間を気にせず使い続けることができます。
一方クラウド型では、提供企業が機器メンテナンスの対応をしてくれるため、担当者の負担が軽減でき、初期費用が安いことが利点です。ただし、契約期間中は費用が発生し続けるため、月々のランニングコストが導入目的に見合うかを検討する必要があります。
そのため、自社に必要な機能を整理したうえで、初期費用・維持管理費用などを精査し、妥当な費用であるかを確認しましょう。
ポイント7:セキュリティ
クラウド型のシステムは、費用の面で見るとメリットが大きいものの、導入する際にはセキュリティの確認が必須です。自社の情報をクラウドのサーバに入れるため、情報漏えいのリスクは自社管理に比べて高くなる可能性があるからです。オンプレミス型の場合は自社運用となるため、自社内の情報管理部門を強化したうえでセキュリティ対策を実施する必要があります。自社のセキュリティ基準を満たす生産管理システムかどうかを確認して選定に臨みましょう。
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本記事では、個別受注生産の管理業務改善の一つの方法として生産管理システムの導入をご紹介し、自社に合った生産管理システムを導入するための比較・確認ポイントをまとめました。また、生産管理の業務改善には、生産管理システムの導入以外にも取引先との情報授受(EDI)や図面流用、自動設計など多くの手段があります。
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