製造業の購買部門・資材部門では製品の原料となる主資材の購買と、備品などの副資材の購買を行います。品質の良い資材を必要な時に適切な量、価格で仕入れなければ生産性と利益に大きく影響します。購買業務の効率化や部門の強化を行うために、どのように取り組めばよいのか。
ここでは、社員の判断とサポートするシステムの活用に着目してご紹介します。
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購買業務の改善に向けた意識
購買業務は「必要なものを、必要な時に、できるだけ安く仕入れる」ことが求められます。そのためには、社内ネットワークの強化と仕入先との関係構築が欠かせません。各部門・工場からの依頼がある中で手配の進捗や過去の発注履歴といった必要な情報が見つけにくい環境では、管理制度の質や業務効率が低下します。
社内、社外の両方の環境改善に向けた取り組みについて検討してみましょう。
購買政策を明確にする
購買業務の改善に向けて、内外作区分を明確にしておきましょう。これは、社内で対応するコアな業務や原価構成の大きい部品は内製し、それ以外を発注する方法です。契約している仕入先が複数ある場合は、コスト対応の良い仕入先に業務を集中させることも効率化が期待できます。
仕入れ情報の共有・見える化
取引先の選定、価格の比較検討をスムーズに行うためには購買データの共有も大切です。企業内で複数の担当者がいると、情報が集約されづらくなります。どの仕入先が安いのか、スムーズに対応できるのか、社内外の負荷はどうなっているかといった情報の共有によって原価、納期への影響を最小化することが可能です。
こうした共有は口頭や紙媒体では限界があるため、販売管理システムや生産管理システム、調達支援システムなどを活用したデータの一元管理をおすすめします。

仕入先の関係構築
仕入先の業務改革を支援することで、相互のコストダウンにつながるケースもあります。仕入先の原価構造から、ムダやロスの発見・改善が必要です。お互いに信頼できるパートナーとして関係構築ができれば、価格や納期の交渉を有利に進められる可能性があります。
このように、仕入先と良好な関係を保つことも購買業務の強化につながり、利益追求が可能となります。
人とシステムで業務を仕分ける
購買業務の効率化には人間の判断が必要な専門知識が求められる業務と、システム化できる単純な業務の切り分けも有効です。
プロセスの切り分けによる効率化
一元化された情報を元にした、仕入先の選定や価格交渉によるコストの適正化は人間がやるべき業務です。ただし、仕入先に見積もりを依頼し比較する段階では、まとめて依頼を出して情報をまとめるシステムの利用が効率的です。
依頼・情報の収集でシステムを活用し、判断や交渉が必要となる段階で業務に専念するフローを確立できたなら、よりスムーズに業務を進めることが可能です。
副資材について
製造に必要な資材とは別の工具やマスク、手袋といった副資材の購買についてもシステムの活用は大いに役立ちます。副資材は多品種を取り扱うだけでなく、工場や部門ごとに発注するため、受注とりまとめ業務に手間がかかる特徴があります。さらに、仕入先の選択肢も多く発注業務に手間がかかるといった課題がありました。
受注とりまとめや品物ごとに複数の仕入先への発注は手間のかかる業務ですが、やるべきことは単純なためシステム化の効果がでやすい業務といえます。また、近年ではインターネットを利用した副資材の購入もできるようになりました。今後は副資材の調達も合理的・効率的に行い、浮いた時間を主資材の購買業務にまわす考えも必要となるでしょう。

情報共有による購買業務の改善
業務規模が拡大するにつれ、購買業務は複雑化していきます。業務を効率化し、利益につなげるには情報の一元化・見える化が大切です。購買業務の効率化に成功すればコスト削減など財務状況の改善にも効果が期待できます。ぜひ自社の購買業務が効率化されているか、今一度見直しを行ってみてはいかがでしょうか。
また、下記記事では、購買管理システムを導入する4つのメリットと3つの選び方もご紹介していますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
