コンフィグレーションとは|ファイルの種類や管理ツール活用のメリットを解説

コンフィグレーションファイル

コンフィグレーションとは、ITシステムやソフトウェア、ネットワーク機器などの設定情報全般を指す重要なIT用語です。

今回は、コンフィグレーションについて解説します。よく使われる用語ですので、どのような場面で使われるのか、何を指しているのか確認し、システムやツールの有効活用についても学びましょう。

コンフィグレーションとは

コンフィグレーション(またはコンフィギュレーション)とは、設定の意味です。ITにおけるコンフィグレーションは、パソコン、サーバー、OSやソフトウェアの設定全般を指します。

また、それらの設定をまとめたものが「コンフィグレーションデータ」であり、それを記述したファイルは「コンフィグファイル(略してコンフィグ)」と呼んだり、多数の機器の設定情報を統合管理できるシステムをコンフィグ管理システムと呼んだりします。

このシステムを利用すると、ファイルを自動収集して変更履歴を効率的に管理できるほか、管理者の負担軽減や人為的ミスが発生した際のリカバリーに効果が期待できます。

コンフィグレーションファイルの種類

コンフィグレーションファイル

システムやネットワーク機器の運用には、さまざまな設定データが活用されています。
ここでは、よく利用されるコンフィグレーションデータを3つの種類に分けて解説します。

アプリケーション設定

ソフトウェアの動作に関する設定情報や管理ポリシーが記録されます。主な内容は、利用ユーザー権限の範囲、動作条件、更新のルール、ログ記録形式などです。

アプリケーションの利用目的に合わせたカスタマイズを実現し、効率的な業務運営を支えます。

ネットワーク設定

ルーターやスイッチ、ファイアウォールなどのネットワーク機器や、それらの相互接続に関する情報が記録されます

IPアドレス、サブネット、ルーティングテーブル、VPN設定など多岐にわたります。適切なネットワーク設定は、セキュリティ強化や通信トラブル防止のために不可欠です。

環境設定

開発環境や運用環境の設定情報が記録され、開発プロジェクトのための特殊な設定や運用時のパラメータ管理が主な役割です。

例えば、開発用データベースの接続情報、本番・テスト環境の切り替え設定など、現場ごとの多様な要求に合った運用をサポートします。

コンフィグ管理とは

コンフィグ管理とは、企業が保有する多数のサーバやネットワーク機器、パソコンなどの設定情報を統合的に扱い、変更や運用を効率化する仕組みです。

各機器の設定は本来、対象ごとに個別対応が求められるため、従業員が増えたり拠点が拡大したりすると、管理者が手作業ですべてを処理するのは現実的ではありません。

この課題を解決するのがコンフィグ管理システムであり、複数の設定を一元管理できる点が特長です。

具体的には、いつ、誰が、どのパラメータを変えたのかを変えたか履歴として記録できるほか、変更内容を自動バックアップする機能も備えています

こうした運用によって、障害発生時の復旧対応が迅速に行えるだけでなく、管理者のスキルや経験に左右されない標準化された業務フローが実現可能です。

コンフィグ管理システムのメリット

コンフィグレーションファイル

コンフィグ管理ツールを利用すると、パソコン1台ずつに個別に設定を行う必要がなくなり、設定を一元管理できます。一元管理すると、管理者の負担軽減・コンプライアンス強化・人為的ミス削減と以下のようなメリットが得られます。

管理者の負担軽減

設定の一括変更ができると、個別に設定を行うよりも大幅に管理工数を削減できます。さらに、バックアップを取ることで、トラブル発生時に代替機の設定を簡略化できることもポイントです。

コンプライアンス強化

いつ、誰が、どの設定を変更したのかといった記録が残せるため、運用ポリシーに反するような不正な変更が加えられればすぐにわかります。社内のネットワーク環境が守られるため、従業員も安心感を持ってネットワークを利用できます。

人為的ミスの削減

各種設定作業は、全体的に作業項目が多いため、人為的ミスが発生する可能性が高いといえます。
コンフィグ管理ツールを利用すれば、設定変更に伴う作業項目の削減や、ミスの減少につながります

また、設定変更の履歴が残せるので、万が一ミスがあってもすぐにさかのぼって確認できます。
一方で、設定の不備やミスは、単なる運用上のトラブルだけでなく、セキュリティ上の重大なリスクにもつながります。

例えば、ファイアウォールやアクセス制御の設定ミスは、情報漏えいや不正アクセスの原因となる可能性があります。

コンフィグ管理システムを活用することで、設定の標準化と自動チェック機能により、こうしたセキュリティリスクを未然に防ぐことが可能です。

コンフィグ管理システムの主な機能

コンフィグ管理システムは、企業のIT環境を安定的に運用するために不可欠な機能を備えています。

ここでは、多くの企業で活用されている代表的な3つの機能を詳しく解説します。

設定の一元管理

複数のネットワーク機器やサーバに対し、単一の管理画面から設定変更を実施できる機能です。

従来は各機器に個別ログインして作業を行う必要がありましたが、対応ベンダや機種によっては一元管理により一度の操作で複数機器への設定反映が可能です。

特に数百台規模の機器を運用する企業では、作業時間の大幅な削減と設定の標準化が実現でき、管理者の業務負荷軽減に直結します。

設定変更の履歴管理と追跡

変更日時、変更者、変更内容といった詳細情報を自動的に記録・保存する仕組みです。

この機能により、運用ポリシーに反する不正な設定変更があった場合でも、いつ、誰が、どの設定を変更したのか即座に確認できます。

監査証跡としても活用でき、コンプライアンス要件への対応や、トラブル発生時の原因究明を効率化できます。

設定の自動バックアップ・世代管理

定期的に設定データを自動収集し、複数世代のバックアップを保持する機能です。

システム障害や誤操作が発生した際、過去の任意の時点の設定に素早く復元できるため、業務停止時間の短縮が図れます。

世代管理機能では、日次・週次・月次など複数のタイミングでバックアップを保存し、必要に応じて特定の世代を参照・復元できる体制を構築します。

コンフィグレーションを正しく理解し、安定したシステム運用へ

コンフィグレーションの適切な理解と管理は、企業のIT基盤を支える根幹的な要素です。設定情報の一元化や変更履歴の可視化により、システムの安定性向上とリスク低減が実現できます。

特に、クラウドや仮想化技術が進展する現代では、コンフィグ管理の重要性はさらに高まっています。適切な管理体制を構築することで、トラブル発生時の迅速な原因特定と復旧、運用コストの削減、コンプライアンス強化など多様な効果が期待できます。​

企業全体の情報資産を守り、業務の継続性を確保するためには、コンフィグ管理を戦略的に位置づけ、組織全体で取り組む姿勢が重要です。

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中須 寛人
この記事を監修した人
16年間、SIerやソフト開発会社でITソリューション営業として従事。
セキュリティおいては、主にエンドポイント、無害化、認証製品の経験を積み
DAIKO XTECHに入社後は、さらに専門性を高め、セキュリティにおける幅広いニーズに答えていくための提案活動や企画プロモーションを展開。
お客さまと一緒に悩み、一緒に課題解決が出来る活動を心掛けている。
DAIKO XTECH株式会社
ビジネスクエスト本部
ICTソリューション推進部
セキュリティビジネス課
中須 寛人