
工場や生産現場において、「紙ベースの情報管理では効率が悪く、生産性が上がらない」「DXを進めたいが、何から手をつければいいかわからない」と悩む担当者は少なくありません。
紙による管理は情報共有の遅れや転記ミス、保管コストの増大など、現場の足を引っ張る原因になりやすいものです。しかし、いざペーパーレス化を進めようとしても、社内の合意形成やツール選定、運用定着など、乗り越えるべきハードルが数多く存在するのが実情です。
本記事では、製造業のペーパーレス化を成功させるための6つのステップを中心に、社内推進のポイントや具体的なITツール、他社事例までわかりやすく解説します。
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目次
- 1 なぜ製造業でペーパーレス化が急務なのか?3つの時代背景
- 2 製造業がペーパーレス化を推進する目的とメリット
- 3 ペーパーレス化の対象となる主な製造業の業務
- 4 製造業におけるペーパーレス化の成功事例
- 5 製造業においてペーパーレス化を推進する具体的な手順
- 6 製造業のペーパーレス化を成功させるポイント
- 7 製造業のペーパーレス化を後押しするITツール
- 8 製造業のペーパーレス化に関するよくある質問
- 9 ペーパーレス化は生産性向上の第一歩。積極的な推進でDX達成へ
- 10 リアルタイムな進捗・原価把握を実現する生産管理システム「rBOM」
- 11 補助金の基礎知識や活用できる制度に加え、DX化を後押しする生産管理システム「rBOM」をご紹介します。
なぜ製造業でペーパーレス化が急務なのか?3つの時代背景
製造業において、ペーパーレス化は単なる業務改善の枠を超え、企業の存続を左右する重要な経営課題です。
はじめに、なぜ紙からの脱却が求められているのか、その要因となる時代背景を解説します。
労働人口の減少による人手不足の深刻化
少子高齢化に伴い、国内の人手不足は年々深刻化しています。製造業も例外ではなく、国の機関が発表したデータによると、就業者数は2002年から2024年の間に150万人以上も減少しました。
また、熟練技術者の引退による「ノウハウの喪失」も重大な課題です。ベテランが退職する前に技術や知識をデータ化しておかなければ、組織全体の生産性や製品品質の低下を招きかねません。このような事態を防ぐため、業務効率の向上と技術継承を実現するペーパーレス化が強く求められています。
参考:経済産業省・厚生労働省・文部科学省「ものづくり白書2025」
物価や郵送費の高騰によるコスト増
近年続く物価や物流費の上昇は、企業の利益を直接的に圧迫する要因です。例えば、紙の原料費高騰による用紙代やインク代の値上がりに加え、2024年10月の郵便料金改定により郵送のコストも増加しました。
このような印刷費や物流費の高騰は、紙を多く使う業務フローのコストを増大させ、経営を圧迫するリスクがあります。また、書類の保管場所の賃料や、管理にかかる人件費も見過ごせません。さらに、今後もあらゆるコストの上昇が懸念されるため、中長期的な視点でペーパーレス化を進め、経費削減を図る必要があります。
社会的なペーパーレス化の流れが加速
国を挙げた法改正や、環境問題への世界的な関心の高まりも、ペーパーレス化を後押しする要因のひとつです。
まず法律面では、電子帳簿保存法の改正やe-文書法の施行などにより、書類のデータ管理や電子契約に関するルールが整備されました。国の後押しによりデジタル活用のハードルが下がったため、企業間でのペーパーレスなやり取りは今後さらに一般化すると予想されます。
また、環境や社会に配慮した経営が求められている点も見逃せません。「SDGs(持続可能な開発目標)」に代表されるように、現代では紙の消費を減らしてCO2排出量などを下げる取り組みが企業に広く期待されています。
製造業がペーパーレス化を推進する目的とメリット

製造業がペーパーレス化を進める本来の目的は、単なる紙の削減ではなく、「業務課題を解決し、企業の競争力を高めること」です。
ペーパーレス化はその目的を達成し、ビジネスを継続的に成長させるための強力な手段となり得ます。
効率的なデータ活用・業務プロセスの実現
紙での記録や伝達といったアナログな業務から脱却することで、作業工数を大幅に削減できます。例えば、検査記録や在庫状況、日報などの情報をデータで一元管理すれば、業務の遅れをスムーズに発見でき、より迅速で高精度な意思決定を実現しやすくなります。
さらに、デジタル環境への移行は、生産性向上の鍵となる外国人労働者とのコミュニケーションにも有効です。日常的なチャット連絡はもちろん、データ化されたマニュアルや契約書なども翻訳により多言語に対応させられるため、言語の壁を越えて的確に意図を伝えられます。
印刷コスト・保管コストの削減
作業指示書や図面などの書類をデータ化すれば、用紙代やインク代といった印刷コストを直接的に削減できます。同時に、物理的な書類の保管スペースも不要となるため、空いた空間の有効な活用も可能です。
さらに、データ化によってキーワード検索ができるようになれば、紙のファイリングや過去の書類を探す手間が省け、人件費の削減につながります。不要になった書類をシュレッダーにかける作業や、それに伴う廃棄コストをなくせる点もメリットです。
コンプライアンスや監査へのスムーズな対応
法的要件を満たしたシステムを導入すれば、電子帳簿保存法やe-文書法といった法令へ確実に対応できます。さらに、システム上でアクセス権限などを適切に管理しつつ、情報を持ち出せない環境を構築すれば、情報セキュリティに関するコンプライアンスの遵守も実現できます。
また、日々の製造データや検査記録を電子化して整理することは、製品トラブルや品質監査への備えとしても有効です。必要なデータを迅速に探し出せるため、トラブルや監査の際もあわてることなく対応できます。
ペーパーレス化の対象となる主な製造業の業務
製造業において、ペーパーレス化の対象となる業務は多岐にわたります。ここでは、特にデジタル化へ移行しやすく、導入効果を実感しやすい代表的な業務と関連書類をまとめました。自社においてどの部門から着手すべきか、検討する際の参考にしてください。
| 対象となる業務 | ペーパーレス化の対象となる書類・タスク |
|---|---|
| 生産・品質管理業務 | ・製造現場の作業指示書やマニュアル ・設備の点検チェックシート、個人の作業日報 ・品質保証に関連する検査成績書や各種測定データ |
| 調達・購買業務 | ・より上流の企業や部品メーカーなどとの間で発生する見積書、発注書 ・受入時の納品書、支払いに関する請求書や各種伝票類 |
| 設計・開発業務 | ・製品の設計図面、CADデータ ・BOM(部品構成表)をはじめとする仕様書・過去の設計変更履歴、テスト結果などの資料 |
| その他の共通業務 | ・社内向けの業務報告書、稟議書などの各種申請書類 ・勤怠管理や経費精算に関する書類 |
製造業におけるペーパーレス化の成功事例
ペーパーレス化を推進し、大きな成果を挙げている製造業の成功事例をご紹介します。
実在する企業の取り組みを参考に、導入後の具体的なイメージをつかんでください。
調達システムの導入でペーパーレス化と工数削減を実現
株式会社キッツマイクロフィルターは、調達支援システム「PROCURESUITE」の導入により、購買業務のペーパーレス化と大幅な工数削減を実現しました。最大の成果は、月20時間を超えていた残業時間の削減と業務の平準化です。
発注手段をシステムに一元化したことで、複数部門からの発注であっても全体を把握した最適な購買が可能になりました。さらに、伝票の不備を早いタイミングでアラートできる、トラブル防止の仕組みも同時に構築できたとのことです。
【関連ページ】購買業務におけるペーパーレス化と工数削減を目指し調達システムを導入。生成AI活用による購買調査も視野に
調達支援システムの導入でコストの大幅削減と業務効率向上を達成
ホクト株式会社は、Excelによる購買管理の煩雑さを解消するために「PROCURESUITE」を導入し、ペーパーレス化と業務効率化を同時に達成しました。
特に注目したいのが、コスト削減の成果です。相見積の取得が社内に定着したことで安価な業者を選定できるようになり、年間250万円の間接材購入価格の削減に成功しています。
加えて、発注書やFAX配信の削減、会計システムへの手入力業務の削減など、業務プロセス全体の見直しも進みました。その結果、全体の作業工数の削減と業務フローの整備が進み、作業漏れの削減にもつながっています。
【関連ページ】PROCURESUITEによる経費削減の効果を実感
設備点検票の電子化で紙と工数を大幅削減
国内のある製造業企業では、電子帳票システムを活用して複数グループの設備点検表やチェックシートを電子化し、製造部全体で年間8,000枚以上の紙帳票削減と1,200時間以上の作業工数削減を達成しました。
業務効率の改善も顕著で、改善活動における集計工数は従来の4時間から0.5時間へと大幅に短縮されています。さらに、帳票の電子化によって記録漏れやミスが画面上で可視化されるようになり、作業品質の向上にも貢献しました。
製造業においてペーパーレス化を推進する具体的な手順
ペーパーレス化をスムーズに進め、確実に現場へ定着させるためには、計画的なアプローチが不可欠です。
ここでは、失敗を防ぐための具体的な手順を6つのステップで解説します。
STEP1:現状整理・対象業務の選定
まずは、紙が使われている業務全般を整理し、現状を可視化することが第一歩です。本ステップでは、業務プロセスを図表化したり、担当者にヒアリングしたりしながら、紙の利用によって生じている非効率な作業を洗い出します。
その上で、ペーパーレス化による効果の大きさ、推進の難易度を考慮し、改善する業務を選定しましょう。一方で、法令により紙での保存が義務付けられている書類も少なからず存在するため、法務面の事前確認も必須です。
STEP2:目的とゴールの明確化
どの分野をペーパーレス化するかを決めたら、最終的なゴール(KGI)と中間地点(KPI)、実施目的を明確化しましょう。このとき、「紙をなくす」という漠然とした目的ではなく、業務の効率化や品質の向上など、組織の生産性や業務効率に直結する事項を定めることが重要です。
そして、「書類の捜索時間を半分にする」「印刷コストを20%削減する」といった、具体的な数値目標に落とし込みましょう。また、整理したゴールや目標は、経営層や現場との共通認識を形成する際にも利用するため、共有しやすいデータで残すことをおすすめします。
STEP3:業務プロセス・体制の再設計
ペーパーレス化の効果を最大化するためには、業務プロセスと組織体制の再設計が不可欠です。特に業務プロセスにおいては、デジタル活用を前提とし、転記作業や印刷などの無駄な作業が発生しない設計が求められます。あわせて、ファイルの名前やフォルダの階層、アクセス権限などの詳細な運用ルールを事前に定めておくと、トラブルなく施策を推進できます。
また、デジタルのスピード感を活かせる、無駄のない承認体制を築くことも重要です。オンラインでの書類提出や承認などを認める体制を作り、迅速に意思決定をできる環境を整えましょう。
STEP4:課題を解決するツールを選定
次は課題の解決につながり、新しく設計した業務プロセスにも適合するツールを選定するステップです。提供元はもちろん、ツールを利用する部署の人材とも相談を重ね、詳細に要件を定義していきます。
なお、多機能なシステムが必ずしも最適とは限りません。機能の過多は、操作の複雑化や想定外の工数増加、予算オーバーなどのトラブルを招くリスクがあります。そのため、導入するツールは現場のITリテラシーや既存システムとの連携性、予算などを総合的に判断して決定することが重要です。
STEP5:段階的な実施
ペーパーレス化は急激に進めるのではなく、スモールスタートで始めるのが基本です。まずは影響が少ない業務や特定の部署を対象とし、再設計したプロセスに適合するか、新たな課題が浮上していないかを確認しながら施策を進めましょう。
なお、試験の初期段階においては、コストなしで機能を試せる無料トライアルの活用もおすすめです。また、対象範囲を拡大する際は、紙とシステムの併用期間を設け、従業員が新しい操作に慣れる時間を確保しましょう。
STEP6:継続的な効果測定と改善
ペーパーレス化を後押しするツールと新しいプロセスは、全社的に展開してからが本当のスタートです。定期的にKGIやKPIと照らし合わせながら効果を測定し、その結果を基にツールの運用方法やプロセスを改善しましょう。
なお、効果測定の際は数値だけでなく、現場からのフィードバックを積極的に吸い上げることも重要です。吸い上げた情報をしっかりと改善に反映させれば、ペーパーレス化をより効率的で、現場に馴染む施策へと昇華させられます。
製造業のペーパーレス化を成功させるポイント

ペーパーレス化を推進するために施策を実施したものの、期待通りの効果が得られないと悩む組織も少なくありません。取り組みをより確かなものにするためには、いくつかのコツを押さえることが重要です。
ここでは、施策を成功に導き、業務へ定着させるための重要なポイントを4つ解説します。
非IT人材でも直感的に操作できるツールを選ぶ
ペーパーレス化の推進には、ITスキルに自信がない従業員やベテラン層でも使いやすいツールの選定が不可欠です。皆が直感的に操作できる、シンプルで使いやすいツールであれば、非IT人材の抵抗感を最小限に抑えられます。
積極的なデジタル活用が促されるため、特定の人材とのやり取りのみ紙を使うという、非効率な業務の発生も防止できます。結果として、効率化を進めやすくなるほか、紙に関するコストを削減できる点もメリットです。
ペーパーレス化を前提とした業務フローを構築する
ペーパーレス化が目指しているのはツールによるデジタル化ではなく、業務プロセスそのものの変革です。この目標を達成するためにも、デジタル化を前提とした業務フローを構築しましょう。
大きな流れであるプロセスに加え、より実務に近い流れ(フロー)をデジタル前提に再設計すれば、ITツールの効果を最大化しやすくなります。具体的な取り組みとしては、オンラインでの承認や申請、決裁を可能とする体制の構築、デジタル活用による情報共有や業務の効率化などが挙げられます。
社内研修の実施とフォローアップ体制の構築
従業員にツールを使いこなしてもらうためには、導入初期のタイミングや定期的な社内研修が欠かせません。実務を想定した研修会を実施し、業務内容の変化やツール活用に対する不安を解消しましょう。
また、操作に迷った際などに素早く相談できる、フォローアップ体制の構築も重要です。社内に専用のサポート窓口を設け、わからないことを気軽に質問できる環境を整えれば、自己流の間違った運用や利用率の低下を防止できます。
施策の目的・目標を全社に共有する
ペーパーレス化を達成するためには推進担当者や経営層だけでなく、組織に関わる人材全員の協力が欠かせません。施策を推進する際には「どのように改善されるか」「なぜ変更が必要なのか」などを説明し、理解を得ておきましょう。
理解が得られれば反発が起こるリスクを抑えられ、さらに積極的なツール活用の促進も期待できます。あわせて、ペーパーレス化による効果を「作業時間10%短縮」「印刷代20%削減」などの具体的な数値で見える化すれば、全員がより高いモチベーションで変革に取り組めます。
製造業のペーパーレス化を後押しするITツール
現場のペーパーレス化を進めるためには、紙の書類が多く発生している業務や自社の状況に合ったITツールを導入することが一番の近道です。
ここでは、製造業によくあるアナログな課題を解決し、ペーパーレス化を強力に後押しする代表的なシステムをご紹介します。
生産管理システム・ERP
生産管理システムは、製造計画の策定から工程や在庫、原価の管理までを効率化するツールです。一方のERP(統合基幹業務システム)は、これらに加えて購買や販売、会計といった企業の基幹業務全体を一元管理します。
これらのツールを活用すれば、従来は紙でやり取りしていた資料や情報のデジタル移行が可能です。その結果、ペーパーレス化が促進され、さらにリアルタイムでデータを共有できるため、業務のスピードも大きく向上します。
【関連記事】生産管理システムとは?主な機能や製造業における導入メリット、選び方をご紹介
調達・購買管理システム
見積依頼から発注、検収、請求書の処理に至るまで、一連の調達・購買業務を電子化および自動化するシステムです。これまでFAXや郵送で行っていたサプライヤとのやり取りがデジタル上で完結するため、保管の手間や書類の量を大幅に削減できます。
また、見積を容易に依頼でき、その情報がリアルタイムで受け取れる点もメリットです。相見積がより手軽になるため、最適な条件での取引を実現しやすくなり、継続的な調達コストの削減にも貢献します。
【関連記事】購買管理システムとは?機能や5つの導入メリット、システムの選び方を解説!
ワークフロー・電子帳票システム
社内で発生する各種申請書や報告書を電子化し、作成から承認までのプロセスをシステム上で完結させるツールです。承認フローの完全なペーパーレス化を実現し、決裁までのスピードを大幅に向上させます。
また、デジタルで完結するため、転記作業によるミスや漏れを防止できる点も大きな強みです。加えて、承認状況がリアルタイムで可視化されるため、「承認がどこで止まっているかわからない」といった紙媒体特有の課題も解消できます。
ナレッジ管理ツール
過去のトラブル事例や現場のノウハウ、マニュアルなどをデータとして一元的に蓄積・共有するためのツールです。必要な情報をキーワードですぐに検索できるため、分厚い紙のファイルから該当ページを探し出す手間が省け、日々の情報共有や教育を円滑化できます。
動画や写真の保存が可能なツールを使えば、紙では表現しづらい熟練技術者ならではの「技」の可視化が可能です。文字だけでは伝わりにくい情報を円滑に伝えられるため、技術継承問題や属人化の解消にも大きく貢献します。
その他特定業務に特化したツール
現場全体のシステムだけでなく、ピンポイントな課題解決に特化したツールも多数存在します。例えば、毎月の明細書をスマートフォンへ配信するWeb給与明細システムや、タイムカードの打刻と集計を自動化する勤怠・労務管理システムが代表的です。
ほかにも、大容量のCADデータや変更履歴を安全に共有する図面管理システム、契約書を電子化する電子契約サービスなども存在します。これらは対応できる業務範囲こそ限定的ですが、特定の分野に強い課題を感じている場合には、費用対効果の高い有用な選択肢です。
【関連記事】給与明細のWeb化:システム選びから導入までのポイント
製造業のペーパーレス化に関するよくある質問
ここでは、製造業のペーパーレス化に関するよくある質問と、その回答をご紹介します。
ITに批判的な人材や決裁者を説得するにはどうすればよいですか?
ペーパーレス化に反発する方に対しては、具体的なメリットの提示が有効です。ITツールに抵抗がある層には、業務をどのように変えるのか、何の業務がどの程度効率化できるかを丁寧に伝えましょう。
決裁者についてはプロセスの変革とツール導入による投資対効果(ROI)を数値化し、論理的に説明することが重要です。あわせて、同業他社の成功事例と近年の社会情勢を共有し、必要性を説明しましょう。
ペーパーレス化だけで本当に業務効率は向上しますか?
紙をスキャンしてデータ化するだけ、ツールの利用権を渡すだけでは、かえって業務効率が低下するリスクがあります。推進にあたっては、業務プロセスそのものの再設計と教育を実施し、ペーパーレス化の効果を最大化することが不可欠です。
加えて、リアルタイムでの情報共有とデータの自動収集、既存システムとの連携などを実施すれば、劇的な業務効率化と付加価値の創造を実現できます。
ペーパーレス化するとセキュリティは低下しますか?
企業向けのITツールは高度なセキュリティ機能を備えているため、適切に運用すればむしろセキュリティは強化されます。基本的なセキュリティ対策を徹底しつつ、データの持ち出しや未許可端末からのアクセスを禁止すれば、情報漏えいを強力に防止できます。
また、クラウドへの保存や定期的なバックアップを実施することで、火災や水害による物理的なデータ消失リスクの大幅な低減が可能です。
IT人材がいない場合でもペーパーレス化は推進できますか?
専門知識がなくても運用が可能なツールを選定すれば、IT人材が不在でも十分に推進可能です。プログラミングが不要なのはもちろん、直感的な操作が可能なため、ITスキルに不安がある従業員でも快適に利用できます。
また、導入から定着までを継続的に伴走支援してくれる、サポートが手厚い提供元を選ぶことも有効な手段です。
ペーパーレス化は生産性向上の第一歩。積極的な推進でDX達成へ
製造業におけるペーパーレス化は、コストや紙の量だけを削減する取り組みではありません。蓄積したデータを活用した合理的な意思決定や、業務プロセスの抜本的な改善につながる重要なステップです。
慢性的な人手不足やコスト高騰を乗り越えるためにも、まず現状の業務フローを見直し、自社に合ったITツールの導入から始めてみましょう。ペーパーレス化による情報の可視化・共有化は、スマートファクトリーや全社的なDX実現への第一歩です。
また、初期投資の負担が気になる場合は、国や自治体の補助金の活用も有効です。以下のホワイトペーパーでは、製造業におすすめの補助金情報やDX推進システムについて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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補助金の基礎知識や活用できる制度に加え、DX化を後押しする生産管理システム「rBOM」をご紹介します。
製造業のDX化・生産性向上に! 製造業のおすすめ補助金6選 & DX化を推進する「rBOM」とは











ペーパーレス化を進める上で本当に大切なのは、立派なシステムを入れることではなく、現場が「今日から作業が楽になる」と実感できるかどうかです。現場を見てきましたが、ただ紙をPDFにしただけで「前より面倒になった」と放置された端末を山ほど見てきました。
現場の人間は油のついた手で画面を触るのを嫌がりますし、細かい文字入力が手間で、結局裏紙にメモしてしまう。だからこそ、まずは写真を1枚撮るだけで点検が終わるとか、音声で日報が打てるといった、現場の負担を徹底的に減らすところから始めるべきです。最初から完璧な仕組みを目指さず、一番困っている現場の、一番簡単な作業から変えていくのが定着への近道ですよ。