生産管理 基礎知識

 

製造業の受発注をシステム化するメリットや課題とは?

業務効率化だけじゃない!製造業の受発注をシステム化するメリットとは?

コロナ禍でテレワークに取り組む企業も多い中、製造業ではFAXや電話などを用いた受発注業務があるため、出社せざるを得ないという企業も少なくありません。

本記事では、製造業が受発注業務のオンライン化に踏み切れない理由と、オンライン化を実現できた場合に得られるメリットについてご紹介していきます。

アナログで受発注業務を行っている企業が抱えがちな問題

新型コロナウイルスの感染拡大防止や働き方改革の一環として、テレワークを導入し始めた企業は多く存在します。その一方で受発注業務をFAXや電話などのアナログで行っているために出社せざるを得ず、テレワークに移行できないといった企業もあります。

ここでは、このようなアナログで受発注業務を行っている企業が抱えがちな問題をご紹介します。

事務作業に工数がかかる

アナログでの受発注業務を行っている場合にまず問題となるのが、事務作業に工数がかかることです。

FAXや電話で注文を受けた後に、システムへ手作業で情報を入力していくといったフローの場合には、入力に時間がかかるだけでなく、見間違いや誤入力などのヒューマンエラーのリスクもあります。

営業時間外の注文に対応できず機会損失がある

営業時間外の注文に対応できないため、機会損失が発生してしまう問題もあります。

FAXや電話などで受けた注文を処理するためには、人手による対応が必要です。そのため、従業員のいない営業時間外の注文を受けることはできません。また、アナログでの注文はインターネットを活用した場合と比べて手続きが面倒であるため、注文を断念してしまう可能性があります

部門間で在庫の取り合いが発生する

アナログで受発注業務を行っている場合に問題となりやすいのが、製造現場と保守の部門間で在庫の取り合いが発生してしまうことです。

アナログな受発注では、在庫の確認や確保に時間がかかってしまい、注文を受けたときには在庫があったとしても確保までの間に保守部門が在庫を持ち出してしまい、製造現場において在庫切れとなってしまうことがあります。担当者としてもこういったケースは避けたいため、あらかじめ在庫を確保するようになり部門間で在庫の取り合いが発生することがあります。

このように、アナログでの受発注業務には多くの問題があります。しかし、多くの企業では受発注業務のオンライン化に取り組めていません。次章ではその理由についてご紹介します。

受発注業務のオンライン化に踏み切れない理由

多くの問題を抱えつつも受発注業務のオンライン化が進まない理由はどこにあるのでしょうか。ここでは、受発注業務のオンライン化に踏み切れない理由を2つご紹介します。

得意先の理解が得られない

受発注業務のオンライン化に取り組めない理由の1つには、得意先の理解が得られないことが挙げられます。

受発注業務をオンラインにするということは、取引先にもオンラインでの対応をしてもらう必要があります。そのため、得意先がFAXやメールなどアナログでの商取引を行っていた場合、オンラインでの受発注は受け入れられない可能性があります。

既存のやり方を変えることに否定的な取引先から理解を得るためには、まずオンライン化によるメリットを十分に知ってもらうことが重要です。

費用対効果がわからない

アナログからオンラインでの受発注業務に切り替えるためには、新たにオンライン受発注システムを導入する必要があります。しかし、導入にかかる費用とそれに見合う効果を比較しようとしてもどの程度効果が期待できるのかわからない場合があります。

例えば、クラウド型システムの場合、初期費用は数万から数十万円かかります。また、カスタマイズ可能なパッケージ型の場合、初期費用は数百万から数千万にのぼります。

さらに、システムの導入には取引先の理解や現場への説明を行う必要があり、システム導入によってどの程度業務が効率化されるのか、システム利用の教育コストはどの程度かかるのかなど、検討すべき問題が多く存在します。

さらに、導入までに時間と手間を要するため、オンライン化の実現コストに見合うだけのメリットを見出せないことが多く、オンラインへの切り替えは難しいものとなっています。

このように、オンライン化に踏み切れない理由の共通点として、オンライン化のメリットがわからないということがあります。よって受発注業務のオンライン化に踏み切れない企業は、オンライン化のメリットを正しく理解する必要があり、理解したうえで踏み切ることで着実な導入が進められます。次章では、オンライン化をすることによって企業が得られるメリットについてご紹介します。

受発注業務のオンライン化メリットは?

受発注業務のオンライン化を進めるためにも、オンライン化の正しいメリットを知っておく必要があります。ここでは、オンライン化によって得られる5つのメリットをご紹介します。

受発注業務の効率化

受発注をオンライン化することのメリットとして、受注・発注の自動化による業務効率化があります。

従来はFAXや電話で受けた注文を目視で確認してから手入力するなどの手間がありましたが、自動化ができればこれらの手間と時間を削減することができ、業務効率化につながります。また、紙によるやり取りがなくなるため、FAX用紙のコスト低減も実現できます。

24時間対応による機会損失の防止

FAXや電話による受発注では、営業時間外の注文に対応ができず、機会損失が生まれている可能性がありました。しかし、オンライン化すれば24時間いつでもどこでも注文を受けることができるようになります。

また、得意先と連携することで24時間いつでも在庫の確認ができ、出社せずともリモートにて受発注業務が行えるため、テレワーク推進にも寄与します。

在庫の見える化、適正化

オンラインによる在庫確保であれば、タイムラグがなくなるためすぐに在庫を引き当てることができます。リアルタイムで在庫状況を管理できるため、オンライン用の在庫と保守用の在庫を分けて準備することで、誤って在庫が無いのに注文を受けてしまうといった事態を避け、製造現場と保守の部門間での在庫の取り合いを未然に防ぐことにつながります。

このように、適切な在庫の管理が随時行われるため、在庫の適正化を図ることが可能です

ミス削減や対応スピード向上による顧客満足度の向上

受発注においてのミスは納品の遅れにもつながり、顧客へ迷惑をかけてしまう可能性があります。オンラインに切り替えることで、手作業によるミスの低減が図れます。また、取引先とシステム連携することで、迅速な対応が可能となるため、顧客満足度向上につながります。

売上向上のための営業活動に注力できる

オンライン化によって受発注業務を円滑に行うことができるようになると、これまで受発注業務に割いていたリソースをコア業務に割くことができ、更なる売上向上のための活動に注力できるようになります。また、営業時間外でも受注ができることで、受注機会の損失を防ぎ、売上向上も期待できます。

受発注業務をオンライン化できれば、このように多くのメリットを享受することができます。しかし、取引先も巻き込んだ完全なオンライン受発注を実現するためには、得意先にも使ってもらえるようなシステムでなければなりません。

そこで次章では、得意先側にも導入メリットがあるソリューションについてご紹介します。

得意先にも導入企業にも導入メリットがある「i-CompassEC-Navi」

コロナ禍では製造業においてもECサイトを利用するなどオンライン化が喫緊の問題となっています。しかし、前述のように得意先からの理解と協力を得る必要もあることから、完全なオンライン化を目指すことは簡単ではありません。

このような場合、完全なオンライン化ではなく、まずは部分的な導入から進めることをおすすめします

部分的なオンライン化から始めることで、導入にあたっての費用を抑えることができますし、導入システムによってはオンライン化のメリットの多くを享受することができます。

そこでご紹介したいのが、DAIKO XTECHのクラウド型情報配信ソリューション
「i-CompassEC-Navi」です。

「i-CompassEC-Navi」では、欠品状況を含め、在庫状況を24時間いつでも確認可能であり、レコメンド機能により、もう一品の販売促進ができます。このように得意先側、導入企業側の双方に導入のメリットがあります。

「i-CompassEC-Navi」について詳しくは以下からご覧になれますので、ご興味を持たれた方はぜひこちらもご確認ください。


得意先にも導入企業にも導入メリットがある!
クラウド型情報配信ソリューション「i-CompassEC-Navi」

製品の詳細 カタログ


 

田幸 義則
この記事を監修した人
入社後15年間、長野支店にてシステムエンジニアとして活動。
運送業、倉庫業のお客さまを中心に担当し、業務システム構築からインフラ環境構築等の経験を積む。
その後、製造業のお客さまも担当し、rBOM導入のプロジェクトにも関わるように。
16年目に現部門に異動し、rBOM全国支援の担当者となる。
現在はrBOMだけではなく、製造業全般のソリューション提案を手掛けている。
料理が趣味、これからお菓子作りにも挑戦しようか迷っている。
DAIKO XTECH株式会社
ビジネスクエスト本部
インダストリー推進部
田幸 義則
【事例で学ぶDX】BOMを統合して経営を強化、コストダウンへ

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