生産管理 基礎知識

 

成長につながる生産管理を!具体的な流れや重要なポイントを解説

製造業

製造業において、利益を得るために重要な工程の1つが「生産管理」です。生産管理を適切に行うことで、期待された品質の商品を許容範囲内のコストで納期通りに納品できるようになります。

今回は、生産管理の基本から効率化するためのシステムまでをご紹介します。

なぜ生産管理を行うのか?

製造業において基本となるのが、QCD(品質、コスト、納期)の考え方です。高い品質を維持しながらもコストはできるだけ安く抑え、納期通りに顧客へ納品するために、生産管理が必要となります。

製造業においては、QCDのいずれかが欠けると利益につながりにくくなります。Quality(品質)が悪かったりバラつきがあったりすれば顧客の満足度が下がり、Cost(コスト)がかかりすぎれば損益となる可能性が高く、Due Date(納期)を守れないと信頼を失ってしまいます。適切な生産管理を行うことでこれら3つの要素を維持し、継続して利益を増加させることが可能となります。

生産管理の大枠の流れ

製造業

生産管理は、大まかに分割すると「需要予測」「生産計画」「生産実施」「生産統制」の4つのフェーズに分けられます。

需要予測では、自社のその商品に関してどのくらいの受注があるか、さまざまなデータから予測します。予測に使うのは過去の受注・売上データ、類似商品の受注・売上データ、市場予測データなどです。受注後に生産を開始する受注生産の商品に関しても、後述のリードタイムをできるだけ短くするために材料・部品をあらかじめ発注しておくケースがあります。

生産計画では、需要予測や工場のリソース、経営判断などに基づき、「いつまでに」「どの商品を」「どのくらい」生産するのかを計画します。このとき、長期的に大まかな計画を立てる「大日程計画」から「中日程計画」、日ごとや時間ごとの従業員の動きまでを計画した「小日程計画」と落とし込んで計画が立てられると、より効率の良い生産管理となります。

生産実施では、生産計画に基づいて実際に商品を生産していきます。ここでは、商品の品質にバラつきが生まれないように品質管理も行います。

生産統制では、計画したとおりに生産が行われたか、そもそも計画に無理はなかったかなどをチェックし、次へ活かすための改善を行います。進捗管理はもちろん、現品管理や在庫管理なども生産統制に含まれます。

生産管理の鍵を握る「リードタイム」

生産管理において重要なのは、ある工程の開始から完了までかかる時間を指す「リードタイム」をいかに短くできるかという点です。商品が早く完成すればその分だけ時間的なコストを削減でき、顧客の注文から納品までの時間が短くなれば満足度が高くなるため、利益の増加につながります。

リードタイムには、例えば以下のようなものがあります。

  • 調達リードタイム:商品を作るのに必要な材料や部品を発注し、納入するまでの時間
  • 供給リードタイム:調達が完了してから、実際に製造に入るまでの時間
  • 製造リードタイム:製造開始から完了までの時間

それぞれのリードタイムをいかに短縮できるかで、どれだけの利益を得られるかが変わります。そのために必要なのが生産管理であり、何も生産しない時間「ダウンタイム」をできるだけなくし効率的に生産できるよう管理を進めることが大切です。

生産管理はなぜ難しいのか?

生産管理

このように製造業において非常に重要な生産管理ですが、その手法は難しく、改善が進まずにムリ・ムダ・ムラが残っている現場は多くあります。

生産管理が難しいのは、一工程である生産計画と違って数値として記録するものではないこと、商品によって受注生産や見込み生産など生産フローが異なることなどが挙げられます。生産管理のためのフレームワークがいくつか存在し、システム上で管理できるツールが多く登場したことで簡易的になってはきましたが、さまざまなデータを俯瞰するスキルと経験がなければ効率的に進めることは難しいと言えます。

生産管理の中でも特に感覚的な部分に頼るのが、需要予測です。市場分析はいくつかの手法を用いてある程度の数値を出しますが、先のことを確実に予想することは不可能なので、経験から最もありえそうな需要を導き出す必要があります。また、受注の件数や仕入先とのやり取り、生産の進捗も常に反映させながら管理する必要があるため、市場や業務内容への深い理解も必要となります。

管理を効率化する生産管理システム「rBOM」

重要であるがゆえに困難な生産管理ですが、これをコンピュータ上で効率良く管理できるツールが多く登場しています。DAIKO XTECHで提供しているのは、部品表をベースに一気通貫の管理を可能にした「rBOM」です。

rBOMは部品表をベースにあらゆるフェーズの管理で使用するデータベースを統合しているため、部品の発注から納品、売上管理までを1つのシステム上で完結できます。また、rBOMは商品の仕様変更や新たな商品の設計、フローの変更にも強く、煩雑で難しい生産管理をスムーズに行えるようサポートします。生産管理に課題を感じている場合は、おすすめのシステムです。

利益を生み出す生産管理を

生産管理は単に各工程を監視するだけのものではなく、より多くの利益を生み出すために必要な管理です。生産管理を改善して各工程のリードタイムを最適化することで、利益を増やし、企業が成長するための土台を作ることができます。そのためには、生産管理システムの導入をぜひ検討してみてください。


BOMの統合により情報共有をシームレス化。
リアルタイムな進捗・原価把握を実現する生産管理システム「rBOM」については、下記よりご覧いただけます。

カタログ 製品の詳細


田幸 義則
この記事を監修した人
入社後15年間、長野支店にてシステムエンジニアとして活動。
運送業、倉庫業のお客さまを中心に担当し、業務システム構築からインフラ環境構築等の経験を積む。
その後、製造業のお客さまも担当し、rBOM導入のプロジェクトにも関わるように。
16年目に現部門に異動し、rBOM全国支援の担当者となる。
現在はrBOMだけではなく、製造業全般のソリューション提案を手掛けている。
料理が趣味、これからお菓子作りにも挑戦しようか迷っている。
DAIKO XTECH株式会社
ビジネスクエスト本部
インダストリー推進部
田幸 義則
【事例で学ぶDX】BOMを統合して経営を強化、コストダウンへ

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